2014年6月25日水曜日

女の言い分(相対性理論)

月明かりの奇麗な夜
彼女は言った
「私に期待しないで」
「私に求めないで」

泣きながら
彼女はそう言った

それが彼女の出した答えなら
それが彼女の魂の叫びなら
叶えてあげたいと
男は本気で思った

好きなのに
期待しちゃいけない

好きなのに
求めちゃいけない

男はしばらく
その事以外考えられなかった
相対性理論を理解するように
ゆっくり解きほぐしていく

やがて一つの答えが見えてくる

好きなのに
期待しちゃいけない
好きなのに
求めちゃいけない

相手に期待しない好意

相手に何も求めない好意

そう

試されているのは
愛なのだ

それが彼女のいい分


男なら黙って愛を注げばいい

見返りを望まずに降る雨のように

やがて芽が出て
花が咲くその日まで






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