2014年2月12日水曜日

追憶の本能

夏の日の追憶は 
蟷螂と共に秋を迎え 
落葉と共に冬を越し 
桜と共に花咲かせ 
いずれ 
蟷螂に補食されて 
無に還る 

全ては 
廻り続ける世界の一部 
思い出も 
夏の暑さも 
紅葉の彩りも 
冬の厳しさも 
春の眩しさも 
漆黒の後悔も 
蟷螂の産卵も 
機械の騒音も 
美味なる晩餐も 
救われぬ魂も 
自我の主張も 
全て 
廻り続ける世界の一部 

欲しいものは 
既に手の中にあるのだ 

そこに気が付いた時 
君が世界から消えた 

ただ 
本能だけが空回りする 

君を捜して 
空回りする 





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