僕の中には一匹の獣がいる
蒼黒き一匹の獣がいる
優しい言葉の裏に
紳士な笑顔の陰に
一匹の獰猛な獣は鎖につながれながら出口を探して彷徨っている
凶暴な声を上げて
凶暴な牙を光らせて
蒼黒き獣は解き放たれようともがいている
苦しみを糧に
寂しさを餌に
欲望を飲み干しながら
一匹の蒼黒き獣は巨大に成長して行く
月の夜に叫ぶ獣がいたら
それは僕だ
闇夜を走る蒼黒き禍々しい影を見たら
それは僕だ
狙っている
出口を求めて暴れている
僕の中には獣がいる
僕の中には一匹の蒼黒き獣がいる
腹を空かせた蒼黒き大きな獣がいる
虎視眈々と君を狙っている
いつ僕の鎖が引きちぎられるか心配でならない
0 件のコメント:
コメントを投稿