2020年7月15日水曜日

カメラマンの見分け方

僕が望む世界とは?


答えに悩んだ。
なんだろう?望む世界...

写真の良し悪しが分かる人が増える事かなぁ
でもそれだと変な写真が無くならないしなぁ
って事は、世界が素晴らしい写真で溢れる事か!

僕が望む世界とは『素晴らしい写真で溢れている世界』

では、
素晴らしい写真とは何か?

一言で言えば『伝わる写真』
僕にとって写真とはコミュニケーションの一つであり、誰かに思いを伝える手段なのだ。
言葉や音楽と似ている。

人に伝わる写真とはなんだろう?
人を撮ると言う事に限定して考えてみる。
独りよがりでない事。(独り言をつぶやいても誰にも伝わらない)
意図を持って撮る事。(伝えたいものを明確にする)
心の中の本質を撮る事。(浅い表面を取り繕ってもすぐにバレてしまう)
その写真を見た人が何かを受け取ってくれる事。


写真には点数をつける基準がないから、どうしても良し悪しがあやふやになってしまう。
そこが難しいところなのだ。

そもそも世の中には「いい写真とは何か?」が浸透していない。
誰も写真の良し悪しなどは考えていない。
多くのプロが何も考えずにシャッターを切っているのも、ある意味仕方ない事なのかもしれない。



ここで質問です。
この世界には二人のカメラマンがいます。

カメラマンA
写真を一つの物体として見て、表面だけを止まったまま撮っている。
(こんな写真撮れる俺ってすごいだろ!)と、カメラマンが主役になってしまっている。
被写体に仮面を被らせて撮っていて、マネキンでもいい写真になっている。
身構えて鎧を着て撮っている。身構えて鎧を着た被写体しか撮れない。
能力だけで撮っている。

カメラマンB
どのハッピーにピントを合わせてどんな写真にするかを感じて撮っている。
写真を通して誰に何を伝えたいのかを明確に撮っている。
被写体を主役にして撮っている。
本当に伝えたいものを撮っている。
ハートでシャッターを切っている。

あなたは、どちらのカメラマンに撮られたいですか?


『ここで少しカメラマンの頭の中を解説してみよう』
僕の場合、撮影依頼が来たら、
お客さんにヒアリングしてイメージもしくはストーリーを膨らませる。
本人を素敵に撮る事は当たり前で、その先をイメージする。
この写真を誰に見て欲しいのか?見た人にどう思ってもらいたいのか?
先の先を見ながらクライアントの未来を描く。
動きの流れの中で思い込みを取り除きながら、(僕はその人の何を撮りたいのか?)ゴールを見据えて、自然体に、アイデンティティーレベルで写真を撮る。

なんのこっちゃ  笑。って普通の人はなると思う。
僕が写真を撮る時、僕の頭の中はこんな感じに動いているのだ。


例えば、夕日で写真を撮りたいとお客さんが言う。
夕日は綺麗なので、誰を撮っても絵になる。(これは環境の力を借りて撮っている)
夕日の色と光を利用して人物を引き立たせる。(これは能力で撮っている)
なぜ夕日じゃなければならないのかを考えて撮っている。(これは価値観で撮っている)
夕日じゃなくてもいい写真を撮る。(これはアイデンティティーレベルで写真を撮っている)


重要なのはストーリー。
ストーリーとは、心を動かすもの。

お客さんが写真を通して伝えるべきものがあるとすれば、それは、愛だと思う。
愛とは、自分の中をさらけ出してみせる事。
カメラマンから被写体への愛、被写体から誰かに向けての愛。
心を動かすものはいつだって『愛』なのだ。




「笑って~」
と言うのは撮影シーンでよく聞く言葉だ。
「笑って~」とはどう言う事なのだろうか?
言っているカメラマン本人でさえ気付いていない深層心理に迫ってみる。
想像するにこの時のカメラマンの頭の中はこうだ
(ん~、なんかうまく撮れないなぁ...なんか緊張した被写体だな、こんなんじゃ全然いい写真にならないよ!俺様の評判が下がったらどうするのさ !? クレームになったらやだなぁ、せめて笑ってよ!!!)
「はい、笑って~」

多くの女性は経験があるのではないだろうか。
成人式の写真を撮った時の何とも言えない心情と封印したくなった写真と。

否定されながら撮られて自然体になれる人などいないと言う事だ。


写真を撮るときは、全てを肯定してシャッターを切るのだ。
肯定された瞬間の写真は本人も好きになるだろう。


いい写真を撮られるために。
いずれ、写真を撮られる時が来たら自分にこう問いかけてみて欲しい。

『何を撮りたいのだろう?洋服?髪型?アクセサリー?それとも自分自身?自分が写る上で何が一番重要だろう?』

そして、カメラマンにはこう問いかけてみて欲しい。
『どんな私を撮ってくれますか?』

そこで言葉に詰まってしまうカメラマンは表面を取り繕う事に一生懸命で、まだ本質に辿り着けないレベルと言う訳だ。






写真を撮ると言う事は、言葉にすると
実はとても簡単な事なのだ。

髪型や洋服ではなく 僕は、あなた自身に興味があるんです。
そのままのあなたがそこにいればいいのです。

未来に出版されるかも知れない『私のカメラマン』より抜粋


0 件のコメント:

コメントを投稿